結論 — /resume の background 対応で agent view と interactive の境界が消えました
結論を先に書きます。Claude Code v2.1.144 で /resume が --bg / agent view 起動分も拾うようになったのは、今回のリリースで私の運用に一番効きました。これまで私は claude --bg --name nightly-deploy のように名前を付けて投げた background session を claude agents から探していました。v2.1.144 からは interactive と同じ /resume の履歴に bg マーク付きで並ぶので、頭の切り替えが要りません。
GitHub Releases に上がった v2.1.144 リリースノート には 30 件以上の変更が並びます。本記事では 2026 年 5 月 19 日にリリースを当てた直後、AetherEchoes と隣の業務リポジトリで合計 2 時間ほど触って効いた点だけを実務目線で書きます。眠い目で npm install -g @anthropic-ai/claude-code を叩いた後、何が変わって何が変わらなかったか、という雑な順番のメモです。
即日効いた変更 1 — /resume に background session が並ぶようになりました
要点を先に書きます。--bg や claude agents 経由で立てた session が /resume のリストに bg ラベル付きで出るので、interactive と background の往復で claude agents を経由する必要がなくなりました。
私は AetherEchoes の本番に触る作業を、たいてい 30 〜 60 分かかる調査タスクとして claude --bg --name aether-prod-investigation で投げます。これまでは別ターミナルから claude agents を開いて、上下キーで対象を探していました。v2.1.144 では /resume を叩くだけで bg マークが付いた行が出てくるので、文脈を 1 画面で行き来できます。
もう 1 つ細かい話として、background subagent の完了通知に経過時間が出るようになりました(例: Agent completed · 3h 2m 5s)。私の claude --bg のメインの使い方は「夜中に投げて朝確認」なので、これは朝の判断材料になります。3 時間動いたものと 30 分で終わったものでは、レビューに向き合う気構えが違います。経過時間が分かるだけで、コーヒーを淹れる前に開くか後に開くかが決まる。地味だが効きます。
即日効いた変更 2 — /usage-credits リネームと /model のセッションスコープ化
要点を先に書きます。/extra-usage が /usage-credits にリネームされ、/model は当該セッションだけに作用するようになりました。/model でデフォルトにしたい場合は picker 上で d キーを押します。
/usage-credits の方は名前が変わっただけで挙動は同じです。旧名 /extra-usage も互換で残っているので、/extra までタイプして Tab で補完していた人は意識せず移行できます。私の .zsh_history には /extra-usage が 200 行近く並んでいるので、これは助かりました(過去の私の打鍵を否定されない優しいリネームです)。
/model の挙動変更は地味ですが大きい意味があります。これまで /model で opus に切り替えると、次に立ち上げた claude でも opus のままで、月末に残高を見て「いつから opus 固定だっけ」となる事故が起きていました。v2.1.144 からは /model は現セッションのみで、デフォルトを変えたい時は picker 上で d キーを押す UI に変わりました。私は調査タスクは opus、定例の整形作業は sonnet で回しているので、その「明示しないと持ち越さない」設計はありがたいです。
静かに効くバグ修正 — MCP paginated tools/list と 75 秒スタートアップ
要点を先に書きます。MCP サーバの tools/list が paginated レスポンスを返す時、これまで最初のページしか取らずに silently tool を捨てていました。v2.1.144 でこれが修正されています。
私はこのバグの存在に気付いていませんでした。「MCP サーバを足したのにツールが見えない」と Notion MCP で何度か首を傾げていたのは、ひょっとするとこれだったのかもしれません。silent drop(無言で捨てる挙動)は性質が悪くて、エラーログにも出ません。Anthropic が公開している Model Context Protocol 仕様 では tools/list はカーソルベースのページネーションを返してよいことになっているので、サーバ側が正しくページを返していたのに client 側で 1 ページ目だけ見ていた、という構図でした。修正後に MCP サーバを足し直して claude mcp list で見えるツール数が増えたケースがある人は、たぶんこれの影響を受けていました。
もう 1 件、起動時に api.anthropic.com が到達不能だった場合に最大 75 秒ハングしていた問題が、side-channel API call のタイムアウトを 15 秒に絞ることで短縮されました。私はカフェの Wi-Fi で captive portal(接続時に認証画面を踏ませる仕組み)の認証を踏み忘れて claude を叩き、1 分以上待たされた経験が 2 回あります。15 秒なら「あ、回線か」と気付けます。1 分待たされると過去のコードを疑い始めて、原因にたどり着くまでに 5 分かかります。タイムアウトの短さは判断の速さに直結する、という当たり前を再確認しました。
macOS Full Disk Access regression と background session 周りの体感
要点を先に書きます。v2.1.143 で入った regression で、macOS の Full Disk Access 配下のプロジェクトを --bg で起動すると exit 1 before init でクラッシュしていました。v2.1.144 で修正されています。
私の AetherEchoes リポジトリは ~/projects/local/AetherEchoes にあり、Full Disk Access の制御下にあります。v2.1.143 を 2 日ほど使っている間、claude --bg --name aether-eyecatch-fix を投げると 1 秒で落ちる現象に遭っていました。当時は「自分の hooks 設定が悪いのか」と settings.json を読み直したり、.claude/skills/ を疑ったりして 30 分ほど溶かしています。バックグラウンドで動くものが落ちる時の原因切り分けは、interactive で動かして「これは動く」と確認した上で、--bg で再現して「これは落ちる」を見つけるところまで含めて、最低 10 分は持っていかれます。今回の修正で、その 10 分が要らなくなりました。
--bg 周りでは他にも、Windows での attached background session の scroll が動くようになる修正や、/branch が worktree や background session で No conversation to branch で失敗していた問題の修正などが入っています。Windows 環境を持っていないので体感は語れませんが、background workflow を主軸にしている人にとってはこの一連の修正でクラッシュ確率が体感で目に見えて下がるはずです。
アップデートを当てる時の私の手順
最後に、v2.1.144 を当てた時に私が踏んだ手順を 3 ステップで書きます。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@2.1.144でグローバル更新(npmを使っていますがbunでもpnpmでも同じです)- 起動中の
claude --bgセッションがあれば、claude agentsからCtrl+Rでリネームしておく(v2.1.144 で attached session の banner が即時更新されるので、混乱が減ります) /usage-creditsを 1 回叩いて残高を確認し、リネーム後の名前を指に覚えさせる
更新そのものは 30 秒で終わります。私のように 1 日に 5 〜 10 回 claude --bg を投げる人は、更新コストよりも /resume の体験向上が即日返ってくるので、今回のリリースはケチる理由がありません。なお Claude Code 自体のコンテキスト運用については以前 コンテキストエンジニアリングで Claude Code のトークン消費を半分にした観点 で書いているので、合わせて読むと background session を投げる前の準備の話が補強されると思います。次のメジャー前の小さな積み重ね、という肌触りのリリースでした。
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よくある質問
- v2.1.144 へのアップデートで破壊的変更はありますか?
- 目に見える破壊的変更はありません。`/extra-usage` は `/usage-credits` にリネームされましたが旧名は互換で残っています。`/model` がセッションスコープになった点は挙動変更ですが、明示的にデフォルト化したい時は picker で `d` キーを押せば従来通り扱えます。
- macOS で `--bg` がクラッシュしていた問題は完全に直りましたか?
- v2.1.143 の regression による `exit 1 before init` クラッシュは v2.1.144 で修正されています。Full Disk Access 配下のプロジェクトでも `--bg` が起動するようになりました。私の AetherEchoes リポジトリでは修正後 2 時間ほど触って再現していません。
- MCP の `tools/list` silent drop の影響を受けていたかは、どう確認できますか?
- 修正前後で `claude mcp list` の出力を比較するのが最短です。tools の数が増えていれば、それまで 1 ページ目しか取れていなかった可能性が高いです。Notion MCP のように tools 数が多いサーバを使っている場合は特に確認の価値があります。