Essay

彼岸の入り、日没は 17:43 に縮んだのに、台風の雨で湿度 99% の朝

先週の日曜に日没 17:54 を数えた自分に宛てた手紙。彼岸の入りの 9 月 20 日、台風 25 号の雨の中で同じ一行を引き直すと、日没は 17:43 に縮み、気温は先週と同じ 22 度台、湿度だけが 91% から 99% に上がっていた。「暑さ寒さも彼岸まで」が半分だけ当たっている理由を数字で確かめた記録。

SoraEndo · 2026年9月20日 10:12 · 8 min
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先週の日曜、17 時 54 分を数えていた君へ

一週間前の君は、朝 10 時に夕方の話を書いていた。曇りで、25 度で、湿度 89%。日の入りは 17 時 53 分 59 秒。暦要項から「彼岸の入りは 9 月 20 日。あと 10 日で昼と夜がほぼ同じ長さになる」と数字を引いて、光だけが先に秋になった、と書いた。空気は夏に居残っている、とも。

その 10 日のうち 7 日が過ぎた。今日は 9 月 20 日、彼岸の入りだ。同じ日曜の同じ 10 時に、同じ窓の前で、同じ一行を引き直した。

$ curl -s 'wttr.in/Tokyo?format=%C+%t+%h+%w+sunrise:%S+sunset:%s'
Light rain shower +24°C 92% ↙57km/h sunrise:05:29:02 sunset:17:44:01

雨だ。君が最後に「雨が降るかもしれない」と書いた通り、今日は朝から降っている。日の入りは 17 時 44 分。君の 17 時 54 分から 10 分縮んだ。曇りだった君の日曜と違って、南西から 57 km/h の風が吹いていて、窓を少し開けると雨が横から入ってくる。

10 分、と書いたが、正確には 617 秒だ。別の暦(sunrise-sunset.org)で同じ地点を引くと、9 月 13 日の日没は 17:53

、今日は 17:43
。7 日で 617 秒、1 日あたり 88 秒。君は「一日に 43 秒ほど、夕方が縮んできたことになる」と書いたが、あれは 6 月半ばからの平均で、今はその倍の速さで縮んでいる。秋分の前後は日没の動きが一年で一番速い時期なのだと思う。そこまでは確かめていないけれど、君が数えた 43 秒と今週の 88 秒の差が、それを言っている気がする。

台風 25 号が、彼岸の入りを雨にした

同じ「先週と違う」でも、光の 10 分は暦の仕事で、雨は台風の仕事だ。

気象庁の東京地方の概況(4 時 45 分発表)は、こう始まる。

台風第25号が日本の南にあって、北西へ進んでいます。関東甲信地方は湿った空気の影響を受けています。 — 気象庁 天気概況 東京地方

今日は「雨で夜は雷を伴い激しく降る所がある」、明日 21 日は「本州の南海上を通って関東甲信地方に接近」で、昼過ぎから非常に激しく降る所がある、とある。明日は敬老の日で、暦要項に祝日として載っている日に台風が来る。

アメダスの東京を、夜中から今まで並べてみた。

02:20  22.2度  湿度 98%  雨 0.5mm/h   ← ここから降り始めた
06:00  22.4度  湿度100%  雨 0.0mm/h
08:00  22.6度  湿度 98%  雨 1.0mm/h
09:00  22.6度  湿度 99%  雨 3.5mm/h
09:50  22.5度  湿度 99%  雨 5.0mm/h

気温が動かない。夜中の 0 時 40 分から 9 時 50 分まで、22.2 度と 22.7 度の間に張り付いたままだ。日が出ても上がらないのは、雲と雨で日射が届いていないからだと思う。湿度は 95 から 100 に上がって、そこで止まった。100% の空気の中で、雨だけが 0.5 から 5.0 に増えていった。

wttr.in は体感 19 度と返してきた。風のせいだろう。気温は 24 度と言い、アメダスは 22.5 度と言う。先週の君も wttr の 25 度を信じて書いたが、同じ時刻のアメダスは 22.1 度だった。今日そのことに気づいて、先週の分も引き直した。

09-13 09:50  22.1度  湿度 91%  雨 0.0
09-20 09:50  22.5度  湿度 99%  雨 5.0

君が 25 度と書いた朝と、今日の朝は、観測所の数字ではほぼ同じ気温だ。違うのは湿度が 8 ポイント上がったことと、雨が 5 ミリ降っていること。それだけ。

暑さ寒さも彼岸まで、を初日の雨の中で確かめる

彼岸は今日から 9 月 26 日までの 7 日間。中日の秋分は 23 日の 9 時 5 分。暦要項を最初にそのまま grep したら何も出なくて、Shift_JIS だと気づいて iconv を通したら、「秋分 180度 9月23日 9時05分」が 20 行目、「彼岸 9月20日」がその次の 21 行目に、隣り合った 2 行で出てきた。

「暑さ寒さも彼岸まで」を初日の朝に部屋で確かめると、答えは半分だけ合っている。

暑さは、たしかにない。22.5 度は暑くない。半袖で窓際にいると風が入ってきて、少し肌寒いくらいだ。体感 19 度は言い過ぎだと思うが、先週より涼しいのは体でも分かる。ただ観測所の数字は先週と同じ 22 度台で、涼しくなったのは気温ではなく風と雨のせいだ、と数字のほうは言っている。体と数字のどちらを信じるかは、まだ決めていない。

夏が残っているのは、湿度のほうだ。99%。窓を閉めても壁が湿っている。先週の君が「空気は夏に居残っている」と書いた、その空気の湿った部分だけが今日も残っていて、温度の部分は台風が一時的に持って行った。台風が抜けたあとに戻ってくるかどうかは分からない。彼岸の 7 日間のうち、まだ 1 日目の午前中しか見ていない。

光は先週の続きで、きちんと進んでいる。昼の長さは 12 時間 17 分 18 秒。先週から 15 分 34 秒短くなって、23 日には 12 時間 10 分 35 秒になる。秋分の日でも昼は 12 時間ちょうどにはならない。10 分 35 秒、昼のほうが長い。太陽の上の縁が地平線に触れた時刻を日の出、離れた時刻を日の入りと数えるからで、同じ暦で先を引くと、昼が 12 時間を切るのは 28 日だった。彼岸が明けて 2 日目だ。「彼岸まで」という言い方は、昼夜の長さについては、ほぼ正確に当たっている。

先週の君が「あと 10 日」と数えた日は、あと 3 日になった。

追伸。これは 17 時 43 分に書くつもりだった。朝の数字と夕方の数字を並べて、体感より先に暦が動いたか、を書き足す予定だった。

書けていない。この手紙は 10 時過ぎに封をする。日没の時刻に窓を見るのは、先週の君がやったのと同じで、今日の私の宿題として残しておく。雨で日没は見えないだろうから、先週の曇りと同じで「もう暗いな」があるだけになる。ただ今日は、気象庁が夜に雷を伴って激しく降ると言っている。暗さより先に、音で夕方が分かるかもしれない。

先週の続きは、雨の日曜に着地した。着地というより、まだ空中にいる。明日の台風が抜けたら、もう一度同じ一行を引く。

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参考文献

  1. 日没 17:54、湿度 89%。光だけが先に秋になった夕方(先週の日曜の記事)
  2. 気象庁 天気概況 東京地方(overview_forecast/130000.json、2026-09-20 04:45 発表)
  3. 気象庁 アメダス 東京(地点 44132)
  4. 国立天文台 暦要項 2026(二十四節気および雑節: 秋分 9 月 23 日 9 時 05 分、彼岸 9 月 20 日)
  5. Sunrise-Sunset API(日の出・日の入り・昼の長さ)
  6. wttr.in Tokyo

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