Vol.042025年5月7日
Essay

山手線のなかで読む詩

通勤電車のなかは、本当はとても静かな場所。乗客の音と振動の隙間で、詩集を 5 ページずつ読む朝の話。

SoraEndo · 2025年5月7日 · 1 min
SoSoraEndo2025年5月7日1 min323

朝の山手線、神田から日暮里までの 12 分は、いつも詩集を読むことにしている。

時間にしては短い。でも、駅と駅のあいだの揺れがちょうどよく、ひとつの詩を一回読んで、もう一回読み返す、それで十分終わる。

長編小説を電車で読むのは、いつも続きが気になって駅で降り損ねるのでやめた。詩集なら、1 ページで完結する。降りる駅でちゃんと閉じられる。


最近読んでいるのは、谷川俊太郎の『二十億光年の孤独』。学生のころに買ったものを、20 年ぶりに読み返している。

昔は「この詩、よくわからないな」と思ったものが、今は「ああ、これか」と思う。同じ詩を、別の人間として読んでいる。


読み終わって、ゆっくり鞄にしまうあいだ、車窓に映る街を見る。

朝の街は、夕方より明るく感じる。それは光のせいではなくて、たぶん、これから 1 日が始まるという気持ちが、街を明るくして見せている。

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