Vol.042025年11月14日
Essay

夜中に書いた手紙を、朝に読む

夜更けに思い立って書いた長い手紙を、翌朝読み返すと、別人が書いたように見える。朝と夜の自分の距離について。

SoraEndo · 2025年11月14日 · 1 min
SoSoraEndo2025年11月14日1 min359

夜中の 2 時、ふと思い立って、長い手紙を書いた。

ノートパソコンに向かって、メールの下書きとして、3 ページぶんくらい打った。書いている間は止まらなかった。

書き終えて、送信ボタンを押そうとして、なぜか止めた。「明日の朝、読み返してから送ろう」と思ったから。


朝 7 時に起きて、コーヒーを淹れて、PC を開いた。

下書きを開いて、読み返した。

別人が書いた文章のようだった。


別人と言っても、文体や論旨が変なわけじゃない。むしろ整っていた。けれど、そこに書かれている感情の温度が、朝の自分には少し高すぎた。

朝の自分が、夜の自分の手紙を、距離を置いて読んでいた。


結局、その手紙は送らなかった。下書きフォルダに残したまま、別の用事を始めた。

でも、書いたこと自体は無駄ではなかったと思う。あのとき書かなければ、自分のなかに溜まっていたものが、別の形で出てきていたはずだから。

手紙は、宛先より先に、書き手のためにあるものなのかもしれない。

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