Vol.042026年1月11日
Essay

夏の終わりに残る、海の音

8 月末に行った海辺で聞いた波の音が、9 月に入っても耳の奥で聞こえる気がする。記憶の音について。

SoraEndo · 2026年1月11日 · 1 min
SoSoraEndo2026年1月11日1 min347

8 月の終わり、知人と一緒に湘南の海辺に行った。

もう泳ぐような季節ではなくて、ただ砂浜を歩いた。波打ち際に近づいたり、離れたり。1 時間くらいそうしていた。


帰ってきてからも、しばらくのあいだ、波の音が耳の奥で聞こえる気がした。

実際には聞こえていないはずなのに、夜中に静かな部屋にいると、あの日の波の音が、内側から鳴っているように感じる。


これは音の記憶というより、リズムの記憶なのだと思う。

波は一定のリズムで打ち寄せる。1 時間そばにいると、そのリズムが体に入ってしまう。家に帰ってからも、体のなかにそのリズムが残って、耳がそれを「思い出す」。


9 月の最初の週末、家でゆっくりしていた朝、ふいに波の音が聞こえた気がして窓を開けた。

外は当然のように街の音だけだったけれど、開けた窓からは、9 月特有の少し冷たい風が入ってきた。

夏が終わったことを、波の音が教えてくれた、ような気がした。

Tags

Reaction

Share

X (Twitter)